前回の COLORCHECKER PASSPORT PHOTO 2 の際にも少し比較しましたが再度フィギュア撮影におけるフルサイズとマイクロフォーサーズの比較してみることにしてみました。
「フィギュア撮影ってカメラはどれを買えばいいの?」という方の参考になれば幸いです。(一番お手頃な APS-C 前の記事にちょっとだけサンプルがあります)
撮影スペースの都合で被写体と背景との距離があまり稼げません。できるだけ同じ位置で写るようにはしていますがカメラの形状の関係でどうしても位置がずれてしまうのはご了承ください。絞りはそれぞれ F4 と F11、シャッタースピードは 1/200 秒、ISO は 100 です。手前のライザの顔からカッターマットまでの距離は約 25 cm です。
スペースで喋りながら作業していたので適切な比較にはなっていないかもしれません😅
35 mm 換算 60 mm 比較
ストロボの光量を固定して F11 に合わせているため F4 は ND8 を使用。Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8S は在庫が無くてマルミの安価な『DHG ライトコントロール8』を使用したんですが明らかに色温度が下がってますね。LUMIX G MACRO 30mm はケンコーの『PRO1D プロND8(W)』を使用しましたが色温度は若干下がるもののマルミほどではないようです。
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8S F4
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8S F11
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F4
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F11
ボケの量は多い方から下記の通りです。
- フルサイズ F4
- マイクロフォーサーズ F4
- フルサイズ F11
- マイクロフォーサーズ F11
マイクロフォーサーズでフルサイズの F4 のボケを得るには F2 のレンズが必要になります(背景をぼかすなら被写体と背景の距離を長くする手でもいいかも)。逆にフルサイズでマイクロフォーサーズの F11 相当の被写界深度を得るには F22 まで絞るのでそれなりの光量が必要になってきます。
今回は TT600 でアンブレラを併用した光量が 1/4 なので F22 だと 1/1 が必要です。あまり多用はしたくない光量ですね。
35 mm 換算 60 mm 短距離比較
先程と同様のセッティングで距離を詰めてみたものです。
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8S F4
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8S F11
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F4
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F11
35 mm 換算 105 mm 比較
マイクロフォサーズの 105 mm 相当の単焦点が無かったのでズームレンズで 35mm 換算 100 mm で撮りました。ワーキングディスタンスがあまりよくなかったせいもありますが 60 mm と 105 mm ではあまり差が出ませんでした。
今度は LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm にマルミの ND フィルターを装着しているので色温度が下がっています。
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 105mm f/2.8D F4
- Nikon D800E & Nikon Ai AF Micro-Nikkor 105mm f/2.8D F11
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. F4
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. F11
おまけ マイクロフォーサーズでどれくらいボケが出せるか
まず、マイクロフォーサーズで近寄った場合どれくらいボケるか確認してみました。G MACRO 30mm は被写体から約 20 cm、VARIO-ELMARIT 12-60mm はテレ端 60mm で約 25 cm の距離で撮影しています。
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F4 (60 mm)
- Panasonic LUMIX DC-G9 & LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. F4
VARIO-ELMARIT の 60 mm は寄れるし結構ボケますね。値段もかなり違いますが VARIO-ELMARIT 一本あればフィギュア撮影は十分そうな感じがします。
続いてマウントアダプターを併用して F2.8 で撮影してみます。
使用するレンズは順に下記の通りです。
- LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S. F2.8 (60 mm 相当)
- Nikon Ai Nikkor 50mm f/1.8D (100 mm 相当)
- Nikon Ai Micro-Nikkor 60mm f/2.8S (120 mm 相当)
- Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8D (210 mm 相当)
Nikkor 50mm f/1.8 のみ 1 段絞ることになりますがボケは一番大きいように感じます。このレンズは他の Nikkor レンズに比べてピントのキレやボケが綺麗なので過去のフィギュアレビューでも何度か登場しています(ちなみに Ai AF よりもパンケーキ化する前の Ai の方がボケが綺麗です)。
G MACRO 30mm はキレが良いですが開放付近では周辺光量落ちが目立ちますね。
1/6 スケール全体を F2.8 で撮影するとこんな感じ。
F1.8 最短撮影距離で撮るとこんな感じ。設計が古いレンズなので仕方ないですがフィギュアレビューではちょっと使えませんね。
まとめ
今回比較してみようと思ったのが先日黒水着のライザを撮影して過去に GH4 で撮影した白水着ライザの写真を見直したときに「マイクロフォーサーズも悪くないのでは?」と思ったからでした。
大きく綺麗なボケを出したければフルサイズというのはフィギュア撮影でも変わらないようですがレビューで扱うような被写界深度だとフルサイズもマイクロフォーサーズもそこまで差はなさそうです。
今回は正面から撮影していますが斜めから撮影した場合はフルサイズだと両目にピント合わせるのが難しいこともあるのでマイクロフォーサーズの方が有利な場面もあるかもしれません。
自分はフィギュアを撮影するときはあまりぼかして撮らない派です。最近では自宅撮影は D800E を使っていますがマイクロフォーサーズも案外自分に合っていたのかもしれません。
マイクロフォーサーズはハイライト側が飛びやすいと思っていたのですが CCPP でプロファイルを作成したらそこまで飛ばなくなったので ISO 100 で撮るのもありかなぁ🤔