先日久しぶりにモノブロックストロボを使ってスピードライト(クリップオンストロボ、フラッシュ)との違いでも確認しようかなと思ったところ妙な現象に遭遇したのでその記録として。撮影機材の話ですがフィギュア撮影にも関係してくる話です。
まずは今回の件にあまり関係は無いのだけど Godox TT600 系と Godox MS300 系の色温度の違いです。Lightroom Classic でホワイトバランスをプリセット「プラッシュ(5500±0)」に設定したもの。TT600 系はグリーン被りが強く、MS300 は暖色系です。
TT685(左)とMS300(右)の色温度の違い
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
TT685は1/2+0.3
MS300は1/8+0.7
光量の差は1+2/3くらい
ホワイトバランスをLrCのフラッシュ(5500±0)で設定
TT685は拡散板無し pic.twitter.com/EkjGBgmIsZ
スポイトで 18% グレーを拾った結果が下記のもの。左が TT685II で右が MS300。
LrCでColorCheckerの18%グレーを取った場合
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
TT685は全体的にきちんとグレーになるけどMS300は寒色のグレーになる
エッジライトのせいか? pic.twitter.com/OBNSaFMNaE
背景の色が一致しませんね。どちらもグレーの範疇とも言えるのですが MS300 が妙に寒色系です。
全体的に寒色系に寄っているのかと思い、被写体の色を見比べてみましたがそこまで差は無いように見えます。
被写体の色はパッと見違いが無いからやっぱり紙の蛍光剤の影響だろうか pic.twitter.com/r3A5218yAg
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
リムライトとして TT600 を置いていたのでそれの影響もあるのかと思い撮り直ししても変わりませんでした。
キーライトだけでTT685IIとMS300 pic.twitter.com/EAYIgeG6QW
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
カラーチェッカーの部分だけみても色がそれほどズレているようには見えません。
微妙に違うようには見えるけど背景の色ほどはズレてないように見えるから蛍光剤の影響かなぁ… pic.twitter.com/ttQPGVp08F
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
もしかしたら以前カメラマン YouTuber の解説動画で見た蛍光剤が影響しているのかも?と思い背景と下に設置している画用紙(ダイソー製)のうち背景の方を外してみました。
壁の方だけ画用紙外した
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
左:TT685II(スピードライト)
右:MS300(モノブロック)
モノブロックだとやっぱり蛍光剤が反応してるっぽい
下に敷いてある画用紙だけめちゃくちゃ色変わってる
フレネルレンズの有無の違いとかなんだろうか pic.twitter.com/RtsJSFClFp
先程同様にフィギュアやカラーチェッカーの方は色に違いはありませんが下に敷いている画用紙だけ MS300 の方が顕著に青くなっています。
これは流石に違いすぎる pic.twitter.com/Ir9xXrvCqd
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
ソフトボックスを使用していたのでそちらも外して試しましたが結果は変わらず。
ソフトボックスも外した
— Y@130日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月24日
左:TT685II(スピードライト。拡散板無し)
右:MS300(モノブロック) pic.twitter.com/9GGxlCQRW0
軽く調べてみたんですがネット上にはテキストとしてスピードライトとモノブロックストロボのこの違いの検証しているものは見つけられませんでした。似たものとしては LED とモノブロックの違いですが写真を撮る人 鈴木さんのこのツイートでしょうか。
これ同じ背景紙で撮影したもの
— 写真撮る人 鈴木遥介 (@capriciousinfo) 2023年2月9日
違うのはライト、左がストロボ(AD300)で右がLED(ML60)
正しい色味は右のLEDで撮影したもの、ストロボのほうが変な色になるってのも珍しい・・というか始めてみたかも
ちなみにSAVAGEの51(Bone) pic.twitter.com/KDvXsfAwsF
悩んでいるうちにフォロワーさんから新藤修一(通称白ヒゲ)さんの動画に検証しているものがあるということで動画を探してみました。
どうもモノブロックタイプのようにバルブがむき出しの場合は紫外線の量が多いようでそれが蛍光増白剤に影響しているようです。AD200Pro の角型ヘッドのバルブがどうなっているかはわかりませんが、角型ヘッドも紫外線量が少ないようなのでフレネルレンズの有無が紫外線にも影響しているのかも?と思っているのですが白ヒゲさんの #277 の動画ではフレネルパネルが付いている場合は紫外線がカットされているとのこと。(ちょうど TT685II が壊れかけなので分解してもいいのですけどね)
「スピードライトよりもモノブロックが良い」と聞くこともありますが必ずしもそうではないということもあるみたいです。光量の大きさやチャージ速度等に関してはモノブロックの方が良いと思いますけどね。
フィギュア撮影に関して紫外線の影響を受ける塗料が存在するのかどうかわかりませんが、背景に使用する紙や布、小物に関しては蛍光剤含有の有無でスピードライトとモノブロックストロボでは差が出ることがあるかもしれません。
ストロボを使っている場合、白背景を選択するときは素材に蛍光剤が入っているかどうかも製品を選ぶ際のポイントになりそうです。ストロボ側に UV カットフィルムを用意してしまえばあまり気にする必要はなくなるかもしれませんが。
ちなみに LED は紫外線がほとんど出ていないとのこと。うーん、やはり時代は LED ライティングなんだろうか…。
追記
ブラックライトを購入しました。ケント紙とダイソーの画用紙で比較してみたところダイソーの画用紙はとてもよく反応しました。
ブラックライト届いたので
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
ケント紙はほぼ変化ないけどダイソーの画用紙やはりめっちゃ蛍光剤入ってた pic.twitter.com/caCtXciDtq
「紫外線の影響を受ける塗料が存在するのか」という疑問ですが、塗料やプリントによっては反応するようで、今回のフィギュアではアイプリや肌色がやや強めに反応しました。この辺はつや消し塗装のコーティングなんかも影響しているのかもしれません。
フィギュアもアイプリとか塗料によっては反応するみたいだからストロボの紫外線対策しっかりしないと正しい色が出なくなるのかもしれない pic.twitter.com/Izsqhg3CwJ
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
家にスカイライトフィルターがあったので G9 PRO で UV カットフィルターの代用として使ってみましたがこちらは効果なし。(そもそもフィルターが生きているかどうか怪しいけど)
モノブロックストロボ蛍光増白剤影響検証
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
スカイライトフィルター(UVカットフィルターの代用)で
左:フィルターあり
右:フィルターなし
変化無し pic.twitter.com/izdQQBzONV
同じく G9 PRO でモノブロックの MS300 ではなく TT600 を使用すると蛍光剤の反応は見られませんでした。
TT600 pic.twitter.com/zxhn59c1TF
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
何か UV カット効果のあるものがないかと家を探してみたところビニールのブックカバーが少し効果がありそうでした。
ビニールのブックカバーUVカット効果ありそう pic.twitter.com/vftqMS7n4G
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
簡易ではあるものの効果は確認できました。
モノブロックで簡易UVカットフィルムあり・なし検証
— Y@133日前にドールを買った人 (@mattintosh4_otk) 2023年6月27日
左:フィルム無し
右:フィルム有り
効果あり pic.twitter.com/MxYfkITZAm