mattintosh note

どこかのエンジニアモドキの備忘録

ソフトボックスをちょっと改造してストロボ1本で疑似多灯ライティングをしてみる

角型ソフトボックスを改造してストロボ1本で疑似多灯ライティングをしてみる

新しいソフトボックスを作成しようと思ってたんだけど手持ちの Godox の角型ソフトボックスでテストできそうだったので試してみました。「多灯」とは書いてるけど多灯になるのかどうかはわからん。

手持ちのソフトボックスは Godox の 60x60 タイプです。

ちなみに作ろうと思っていたのはリングライトの角型のようなものです。↓のようなフィギュアケースの照明と考えてもらうとわかるかもしれません。

フィギュアを撮影するときってソフトボックスを真上に設置すると顔に影が落ちたり頭頂部が白飛びしたりするんですよね。

こういうライティングをするときもあるのですが大抵のフィギュアの場合はあまり出番は無いでしょう。

さて、この「顔に影が落ちる」というのは頭の上に照明があるからなわけでそれを回避すればいいだけの話です。なので真上から光が当たらないようにします。ここではまずディフィユーザー部分の中心にアルミホイルを貼り付けて発光部中央の光をソフトボックス内部に反射させます。

発光部を正面から見るとこんな感じ。真ん中の黒い部分はアルミホイルで反射するため発光しません。

上のディフューザーを付けて撮るとこうなります。背景は白ケント紙を使用しています。(この時手元にあったのがティティちゃんだったので許して)

1 灯の照明をアルミホイルで区切ることによって擬似的に前後左右斜め上からの 4 灯ライティングになっています(斜光はとりあえず無いものとして考えてください…)。

全体から満遍なく光が当たるため全体的に明るく陰影も薄く柔らかくなります。また、真上からは光は当たらないので頭頂部が白飛びするようなこともありません。陰影が柔らかいためインパクトを与えるような写りにはなりませんが無難に見せられるライティングだと思います。

ムラの出やすいレザックを使った場合でも無難な写りになります。

少し背景が明るく被写体が浮き立たないためアルミホイルを後ろまで伸ばして「コ」の字型にして疑似 3 灯ライティングにしてみます。

疑似 3 灯ライティング(順光)
疑似 3 灯ライティング(順光)

少し奥行きのある感じになりました。

実際にはこういう状態で撮影しています。

疑似 3 灯ライティング(順光)
疑似 3 灯ライティング(順光)

順光で少し陰影が弱いので今度は四隅が透過するようにアルミホイルを貼り付けて斜光にしてみます。

疑似 4 灯ライティング(斜光)
疑似 4 灯ライティング(斜光)

疑似 4 灯ライティング(斜光)
疑似 4 灯ライティング(斜光)

順光と斜光の違いはこんな感じ。

疑似 3 灯(順光)&疑似 4 灯(斜光)
疑似 3 灯(順光)&疑似 4 灯(斜光)

背景の明るさが違うので簡易的に白抜きしてみました。

疑似 3 灯(順光)&疑似 4 灯(斜光)
疑似 3 灯(順光)&疑似 4 灯(斜光)

微妙な差ではあるのですが疑似 4 灯の方が違和感のないライティングに感じます。順光の方はややのっぺらとした印象があります(レビュー用としてはこれはこれでアリなのではないかと思いますが)。

無反射布を使用したときでも概ね良好なようです。

疑似 4 灯(斜光)
疑似 4 灯(斜光)

ソフトボックスの位置によっても印象が変わるのでソフトボックスの位置を手前と奥に配置し、45 度回転させて斜光と順光で違いを見てました。

※後から気づいたけどこれ 2 体並べたら斜光が順光になって順光が斜光になるのでは…。

疑似 4 灯(斜光)&疑似 4 灯(順光)
疑似 4 灯(斜光)&疑似 4 灯(順光)

個人的には右下のが良いかなという印象でした。ただ、ソフトボックスの高さによっても印象が変わってくるので今のところどれがベストかは決めかねています。

ここ最近のレビューで使用している白飛ばしと比較してみます。

白飛ばし&疑似 4 灯
白飛ばし&疑似 4 灯

白飛ばしの方が「お、ちゃんと撮ってるんだな」という感じがするのですが、フィギュアの陰影や照り、質感などは疑似 4 灯の方がよく出ているように感じます。白飛ばしは後ろから光を当てるのでどうしても台座が反射してしまうのですが疑似 4 灯の方は斜め上からなので反射しない点も良いですね。今回使っているレンズは問題ないですが疑似 4 灯の方はフレアの影響も少ないでしょう。

最後に疑似 4 灯でアングルを変えてテストしてみます。フィギュアの位置は固定です。

疑似 4 灯疑似 4 灯疑似 4 灯疑似 4 灯疑似 4 灯疑似 4 灯
疑似 4 灯

グラデーションペーパーを使用しているわけではないのでどうしてもアオリと俯瞰で背景の濃さに違いが出てしまいますね。

セッティングはフィギュアの真上に 1 灯配置するだけなのでとても楽です。欠点としては上からの撮影はソフトボックスが邪魔で撮れないということでしょうか。最近は原型の勉強をされている方向けにレビューの際は頭頂部なんかも撮ったりしているのですがそれができなくなります。

疑似 4 灯セッティング
疑似 4 灯セッティング

あとは発光面の大半を塞ぐことになるのでストロボの光量が今まで以上に必要になるというところですね。これはソフトボックスとフィギュアの距離でも全然変わってくるのですが F13 ISO100 で TT600 系だと 1/2 以上は必要でした。モノブロックであれば特に問題なさそうでした。

格好いいライティングかと言われるとそうでもないですし、「撮影ボックス使ってるんですか?」と言われそうなライティングですがフィギュア展示会のライティングっぽさもありますし、自然な写りなので「フィギュアレビュー」としては悪くないライティングなのではないかと思っています。いまのところ次回以降はこのライティングで撮影しようと思っています。だってこれセッティングが楽なんだもの。

何かご意見・ご感想があればコメントまで。

それでは。

撮影機材
カメラNikon D800E
レンズTAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD F004N
照明Godox 60x60 ソフトボックス
Godox TT600
Godox MS300