接写リングはエクステンションチューブとも呼ばれます。タイトルは文字数の関係で接写リングとしていますが記事内ではエクステンションチューブで統一したいと思います。
さて、前回の記事で発掘した標準オールドレンズでフィギュアを撮るためにエクステンションチューブを注文しました。すぐ届いたので早速試し撮りしていきます。
今回使うのは MK-P-AF3A という社外品ですが問題なく使えますし両サイドにキャップも付いてくるのですごくコスパが良いと思います。エンジニアプラスチックを使用している 3B もあるようですが、バヨネットの部分が心配だったので金属製の 3A を選択しました。
レンズは前回に引き続き Carl Zeiss Jena DDR Pancolar 50mm F1.8 を使用します。カメラは Panasonic LUMIX DMC-GH4 でマイクロフォーサーズになりますので 35mm 換算で 100mm の相当となります。
使用するフィギュアは約 20 cm の「Coreful フィギュア 中野二乃 〜制服ver.〜」です。(特に推しだとかという理由はなくすぐそばにあった)
エクステンションチューブの長さによる違い
(中心点が合ってないのかは許してください…)
最初にエクステンションチューブ無しで最短撮影距離で撮影したものです。大体上半身くらいまでしか寄れません。これよりアップしようとするとトリミングが必要になってきます。
10mm のエクステンションチューブを装着して最短撮影距離で撮影してみました。無しに比べてぐっと近寄れるようになりました。これくらいまで寄れればフィギュア撮影では充分ではないでしょうか。(被写体の大きさにもよりますが)
16mm のエクステンションチューブを装着して最短撮影距離で撮影してみました。無しと 10mm のときほど大きな差はありませんがより大きく撮れるようになっています。
最後に 10mm と 16mm を合体して 26mm にした状態で最短撮影距離で撮影したものです。エクステンションチューブ無しと比較するとかなり差があります。
エクステンションチューブがあるとフィギュアの細かな部分まで撮れるようになりましたが、残念ながらデメリットもあります。
エクステンションチューブを使うと無限遠が出なくなり、フィギュアから離れて撮ることができなくなってしまいます。元のレンズの性能にもよると思いますが、今回のレンズの場合、望遠側はエクステンションチューブ無しのときの最短撮影距離と同じくらいになるため 20 cm 前後のフィギュアであれば「上半身〜顔アップ」くらいまでしか撮れなくなります。
標準レンズ 1 本でフィギュアを撮ろうとするとまずは普通に撮ってからエクステンションチューブを付けて近接撮影をしていく…という感じになるでしょうか。マクロレンズだとこの辺をほとんど気にせず撮れるため非常に楽ですね。
エクステンションチューブの長さと被写界深度
次にエクステンションチューブごとに絞りを変えて撮っていきます。各エクステンションチューブで F2.8 と F11 で撮り比べていきます。
最初はエクステンションチューブ 10mm です。顔にはだいたいピントが合っています。
16mm では目全体にピントを合わせづらくなりました。おでこや頬なども合ってないですね。
26mm では更に合わせづらくなり目全体にすらピントを合わせることができなくなりました。
エクステンションチューブの長さが長くなれば被写体にどんどん寄れるようになりますが、被写界深度が浅くなっていくので明るさの都合で絞れないときは撮影が難しくなりそうです。
というわけで今日は普段使っているマクロレンズではなく標準レンズにエクステンションチューブを使ってみました。こうして撮ってみるとマクロレンズのありがたみがすごくわかりますね…。
「このレンズ好きなんだけど寄れないんだよな〜」というような場合はエクステンションチューブを使ってみるのもいいかもしれませんね。(Planar 使って寄りたいけど Makro-Planar は持ってない、とか)
色とかの関係でフィギュア撮影はこれからも Micro-Nikkor 60mm f/2.8S メインでやっていくと思うのですが、たまには標準レンズの浅い被写界深度で撮ってみるのもいいかなと思いました。
ちなみに標準レンズなのにここまで寄ることになるので撮るのも大変です。
取りづらいことこの上ない pic.twitter.com/5KK8SftcQe
— 𝕐@第四次産業廃棄物 (@mattintosh4) 2022年6月4日
フィギュアネタとはちょっとずれてしまいましたがレンズのお話でした。