mattintosh note

どこかのエンジニアモドキの備忘録

ユポでリフレクター用ディフューザーを作る

ユポでリフレクター用ディフューザーを作る
ユポでリフレクター用ディフューザーを作る

撮影の際にボーエンズマウントのリフレクターをよく使うのですが、ユポ(ユポ紙?)を買ったのでユポでディフューザーを自作してみることにしました。

今回はとりあえずお試しで Amazon で 0.11 mm のユポを購入しました。

まずは黒画用紙と組み合わせてこんな感じのものを作ってみました。目玉ではない。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

ねんどろいどのトップライトに使うときに頭が真っ白にならなければいいな〜と思ったのですがちょっと径不足ですかね…。まぁこれはこれでデスクライトで撮ったっぽくて悪くないかもしれない。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

ドールアイにキャッチライト入れるくらいなら使えそうです。

ユポディフューザーユポディフューザー
ユポディフューザー

直射(左)と見比べてみます。影はだいぶ柔らかくなってますが色温度が下がっていますね。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

一旦中心の黒丸を取り外して普通のライトに。5mm の両面テープで貼り付けているのですが隙間から漏れる光が気になります。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

同じものをもうひとつ作成して左手前と右後ろから挟み込むライティング。普段あまりこういうライティングはしないのですがこれはこれで昔の物撮り写真っぽくて嫌いではない。色温度的には -200K ってところでしょうか。

ユポディフューザーユポディフューザー
ユポディフューザー


翌日、画用紙では耐久性やリフレクターの固定方法に難があるため 5 mm のスチレンボードで作り直すことにしました。少しお高いですが黒いスチレンに黒画用紙がついているタイプを使用します。

形状としてはリングを2つ作って蓋を被せるような形状にして側面の光漏れを防ぐようにしようかなとも思ったのですが約 18 cm の円を二枚切り出さなくてはならずコスパが悪いので一枚で済ませることにしました。

ちなみにリフレクターですが製品によって径が微妙に異なるので統一してない場合は都度寸法を測って作ることになります。(私が持っているのは Godox 製のモノブロックストロボや LED ライトにおまけで付いてきたものですが日本代理店が適当におまけとして付けているのかどれもバラバラでした)

これから揃えるなら NEEWER のディフューザーやグリッドが付いているモデルがオススメです。

オルファのコンパスカッターで切り出したリングにユポを貼り付けます。今回の試作品では外径をリフレクター側に合わせたので内径が小さくなり発光面も小さくなります。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

簡単に取り外しが出来るようにクリップで固定できないかな〜と使ってみたのですが締め付けで歪みが出てしまい隙間が出来たりユポに波が出てきてしまうのでこれはボツ。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

どうせ外さんやろ、となったのでパーマセル(シュアー)テープで固定。新品のスネアドラムみたいでめちゃくちゃ綺麗にできました。これに画用紙巻き付けてスヌートっぽくすればスポットライトにもなりそう。

ユポディフューザーユポディフューザー
ユポディフューザー

同じものを2つ作ったので普段やらない両サイドからの対称ライティングをしてみました。なんだか展示会の照明っぽくて良いですね(ちなみにフィギュアの展示会では大抵手前の両サイドに縦長の LED ライトがついているぞ)。あまりに普通すぎて私は使わないのですがレビューの撮影もこういう方が好まれたりするのかな。

ユポディフューザーユポディフューザー
ユポディフューザー

今度はライトを後ろに持っていって手前にアンブレラを追加しました。なんだかフォトスタジオっぽい雰囲気になりました。面白くなってきて久しぶりにエアリアルも出しちゃいました。

ユポディフューザーユポディフューザーユポディフューザー
ユポディフューザー

比較テスト

せっかくなのでディフューザーの有無で比較してみました。ホワイトバランスは 5400K±0 で固定です。光量は 1/64 で、ユポのみ 1/16+0.7 です。

まずは TT600 による直射でズームの違いでも見てみましょう。どちらも明暗にムラが出てますね。とても汚い光です。

直射 ズーム20mm
直射 ズーム20mm

直射 ズーム200mm
直射 ズーム200mm

次にスピードライトに付属している拡散板を使用した場合です。どちらも光量が落ちますがムラは少なくなっています(なんか変な筋が出てるな?)。200mmの方は影が三重になっているように見えます。

拡散板 ズーム20mm
拡散板 ズーム20mm

拡散板 200mm
拡散板 200mm

続いてリフレクターを装着して拡散板あり・なしの違いです。どうも TT600 は 20mm だと虹の輪のようなものが入るみたいです。フィギュアの頭のあたりの影がちょっと消えてるのが面白い。

リフレクター 20mm
リフレクター 20mm

拡散板 リフレクター
拡散板 リフレクター

リフレクターにディフューザーを取り付けた場合の違いを見ていきます。

まずはリフレクターに付属していた布タイプのディフューザー。ゴムが付いていて帽子のようにリフレクターに被せるだけなので取り扱いが簡単です。やや光量が下がります。

リフレクター ディフューザー
リフレクター ディフューザー

堀内カラーのトレーシングペーパー。薄いからか布製のディフューザーより芯があるような光です。

リフレクター トレーシングペーパー
リフレクター トレーシングペーパー

今回自作したユポ。めっちゃ光量落ちてます。真っ暗やんけ。

リフレクター ユポ
リフレクター ユポ

目測ですが 2+2/3 段ほど減光しているようなので出力を上げました。

リフレクター ユポ
リフレクター ユポ

被写体部分を切り出して差を見比べてみます。トレペが一番影が硬いですかね。

布、トレペ、ユポ
布、トレペ、ユポ

影が硬い順にトレペ→布→ユポで GIF にしてみました。トレペでは鞄にかかるコートの裾の影がはっきりわかりますがユポではかなり薄くなっているのがわかります。

トレペ→布→ユポ
トレペ→布→ユポ

ユポで撮影して露出とホワイトバランスを合わせたものがこちらです。レフ板も無しですがスピードライトだけとしてはまぁまぁ柔らかい仕上がりではないでしょうか。

ユポディフューザー
ユポディフューザー

続いて被照射面の違いです。

ディフューザー無しの場合は TT600 の中心に暗い筋が入っているのがよくわかります。拡散板を使うことで多少薄くはなりますがフィギュア撮影としては実用的ではないですね。リフレクターを使うことでスピードライト特有の横長の光は集光されてまぁまぁ安定します。トレペとユポに関してはパッと見では差はほとんどありませんがユポの方が外側までグラデーションが若干滑らかかなと思います。(布は撮り忘れましたが多分トレペとほぼ同等だと思います)

被照射面の違い
被照射面の違い

最後に発光面の違いです。

布、トレペ、ユポは露出を -2.0 EV してムラがわかりやすいようにしてあります。布は繊維の筋がよく見えます。取り付ける角度によってムラの出方が変わってきそうです。トレペはスピードライトの横長の芯が残っているのがよくわかります。ユポもやはりスピードライトの横長の芯は見えますが今回のテストのように露出を意図的に下げなければ綺麗な発光面になるでしょう。

発光面の違い
発光面の違い

今回ユポを使ってディフューザーを自作しましたがそれなりに成果はあったようです。ただ、光量が 2+2/3 段も落ちてしまうので普段のセッティングである F11 ISO 100 だと TT600 では出力ギリギリな状態です(現状 1/2+0.7 まで使ってる)。フルサイズだと ISO 100 と 200 はそこまで差は無いので感度を一段上げるか、それともそろそろ AD100Pro とか買うべきなのか…。

自作ユポディフューザー
自作ユポディフューザー

とりあえずこれで少し質の良い光源を作ることが出来たので色々テストしてみたいと思います。

次回はまた別のものを作りま〜す。