フィギュア撮影用に枠トレを作ることにしました。
「枠トレ」とは名前の通り、枠にトレーシングペーパー等を貼ったものでフラッグフレームと呼ばれたりもします。どんなものなのかはカメラマンの新藤修一さんや鈴木さんのブログまたは動画を見ていただくとよくわかるかと思います。
我が家にはアンブレラやソフトボックスがいくつかあるのですが、いずれもお試しで買ってみたものばかりで 1 つずつしか無いので現状では同じ光質の照明を組み合わせるということができません。買い足せばいいだけの話なのですがスペースの都合もあり同時使用が難しい状態です。そのため普段はアンブレラかソフトボックスのどちらか 1 灯をメインライトにして残りはボーエンズマウントのリフレクターを装着した照明を使用しています。
アンブレラは Godox UB-85W で、直径 85 cm なのでフィギュア撮影ではそれなりに柔らかい光を再現できます。しかし、リフレクターの方は直径が約 18 cm なので先日作成したユポディフューザーを使用しても柔らかい光を表現するのはやや難しいです(フィギュアが 1/7 スケールや 1/6 スケールということを考えると実際のポートレート撮影に換算すると 1 m 以上ではあるのですが)。
光源が小さい場合は場合はトレーシングペーパー等を垂らして光源を広げるという方法があります。前にどこかのツイートで非常に良く参考になるものを見かけたのですが見失ってしまったので直近で見かけた近いものを参考に貼らせていただきます。
レプリカント様の撮影に行ってきました。来年発行とのことで楽しみです pic.twitter.com/S3baaBuNRC
— さと (@ha_c_ca) 2023年11月6日
上記の参考写真をご覧いただくとスタンドなど結構大掛かりなセットになっており、自宅で再現するとなるとそれなりにスペースが必要です。
話を枠トレに戻します。枠トレのメリットとしては下記のようなものがあるでしょうか。
- 光源の大きさに依存しない、サイズをいくらでも大きく出来る(トレペのサイズ次第)
- 重力を無視して配置が可能
- 省スペース(薄い、軽い)
- 距離で光質の調整ができる(ソフトボックスやアンブレラと大きく異なる点)
思いつくものを並べてみましたが私は専門のカメラマンではないので正しいかどうかはわかりません。
なお、枠を作らずにアフィラボさんのように乳白のアクリルを使うという方法もあります。トレペのように繊維が写り込まないのでこれが多分一番綺麗だと思います。光源とディフューザーの距離による効果の違いも非常に参考になります。
ダイソーなどで売っているマルチパネルをそのまま使うというのもいいかもしれません。(1/12 スケール系だとこれ使ってる人たまに見かける気がする)
フリーマルチパネル355×355mm | 【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア
今回は、
- ホームセンターが近くにないのでアルミパイプやジョイントの入手が難しい
- ロールで買ったトレーシングペーパーが過剰に余っていて使い道に困っている
- 単にスチレンボードを切るのが好き
という理由なだけでスチレンボードで作ろうとしているのですがそのうちアルミフレームにしたいと思っています。
前置きがかなり長くなってしまいましたがそろそろ作っていきたいと思います。今回は A2 サイズ、厚み 4 mm のスチレンボードを使用しました。3 mm だと薄くて強度が心配、5 mm だとちょっと厚いような…という理由で 4 mm を選択しただけで決して強度計算とかをしたわけではありません。
やや大きめに作られているスチレンボード(450 mm × 600 mm)をそのまま使用し、枠は 20 mm ほど残しました。枠は細ければ細い方がいいですがクリップなどで挟むことを考えて仮で 20 mm としました。縁はパーマセルテープでちょっとした補強をしています(恐らく特に効果は無い)。
トレーシングペーパーを貼り付けます。うーん、ちょっと薄いような気がしないでもない。本当はユポにしたいんですがお高いんですよね。使い心地を見て二重にしようかと思います。あとこの時点で少しソリが出てしまっています。紙が貼ってないタイプの方がもしかしたらソリが無いのかもしれない。
持ってみた感じはアームで挟んで 0 〜 90 度まで自由に角度調整できるくらいの強度はありそうです。
早速試してみましたが悪くはなさそうです。
反対側に白レフを置いて影の出方がわかりやすいようにして Godox TT600 の直射(拡散板併用)とユポディフューザーと比較してみます。
光量は少し落ちていますが光はかなり拡散しています。レフ板に当たっている影はほぼ見えないくらいです。
今度は斜め上から。A2 で高さがあるので卓にそのまま設置しても 1/6 スケールぐらいなら問題なく使えそうです。本当はフレキシブルアームクリップを使う予定ですがとりあえずゼムクリップを使って卓上に直立させています。
気分を変えたかったので被写体をウイングさんのおおかみずきんちゃんに変えました。枠トレとフラッシュの距離で光質のコントロールが出来るようになったので普段はあまりやらない少し重めのライティングです。
こちらは少し広がりのあるライティング。
今までアンブレラを使っていたので照明の高さや角度はアバウトで良かったんですが光源の面積が小さくなったりトレペが薄くて芯が残るため微妙な位置の違いでライティングの差が顕著に現れるようになったなと感じました。
「これがやりたかったライティングなのか?」と言われると…どうなんでしょう。まだまだフィギュアの出来の良さに頼っていて仕上がりをイメージしたライティングは出来ていないと思います。というかフィギュア撮影と言うよりもただの物撮りになってる気がしないでもない。背景紙を変えれば印象も変わるのでしょうけど。
最後に先日黒レフを作成したので軽く黒締めしてみました(フィギュアの場合形状が複雑なので黒締めになってるかどうか怪しいですが。上の方は何もしてないし)。左手前はアンブレラ、右手前は枠トレです。今までは右手前には白レフを使っていました。
背景側も黒なので背景の露出が少し下がってしまいましたが概ね良い結果なのではないでしょうか。裏表で白黒逆のレフ板を作ってみてもいいかもしれないですね。
とりあえず使えそうだったので同じものをもう一つ作りました。やはり結構薄い気がするので片方は両面トレペにしようかな。縁の黒いテープをどうにかして均等に貼りたかったのですが透明じゃないので今どれくらいの幅で貼ってるかわからないんですよね…。でもよく考えてみたら目安の線を先に引いておいてそれに沿って貼れば良いだけでした。2 つめの方が綺麗にできました。検証用に 3 mm 厚のスチレンボードも買ってきてあるので後日作りたいと思います。
あと A3 レフ板が思ったよりもでかいので A4 版も欲しい…。