撮影のご依頼を受けていると「背景は◯色でお願いします」なんて言われることがあります。この場合は後述する注意点を説明した上で御本人のご希望の色を選択します。
フィギュアレビューでも本人の好みやキャラクターのイメージカラーを選択したりするのですが「忠実な色を撮りたい」となった場合は気をつけなければならないことがあります。
光の当て方にもよりますが背景紙や布の色は反射します。例えば青や緑の場合は反射によって肌の血色が悪く見えてしまうことがあります。百聞は一見にしかずということでいくつか撮影してみましたので下記の例をご覧ください。左手の袖の下や太もものあたりを見ていただくとわかりやすいと思います。ライティングはすべて同じでレフ板は使用していません。適当に撮影したので角度は微妙にズレています。
まとめて見る場合はこちら。
真っ黒は撮り忘れたので過去のストックから。ただしこれはレフ板を使用していますのでレフ板無しだともっと影は濃くなります。
背景紙の色が白っぽければ背景紙そのものがレフ板になったりもします(最後の 2 枚のグレーと白を見比べてみてください)。
背景紙の色を変えることで印象がガラッと変わりますが被写体への影響が出ることがあるので何を重視したいかで選択するのが良いかなと思います。例えばガレージキットの完成品撮影で忠実な色を見てもらいたい場合は黒や白、明るめのグレーや暗めのグレーが無難かなと思います(グレーはライティングで再現出来たりもします)。無彩色だと寂しい…という場合は彩度低めの色を選択すると良いかと思います。同じ背景紙でも光の当て方によって印象も変わるので多灯ライティングを組んでいる方は色々試してみると良いでしょう。
私は余計な色が入るのが嫌なのでレビューでは基本は白か黒なのですが、イメージカットの場合はたまに色付きの背景紙を使用することもあります。
フィギュア撮影などの定番の背景紙であるレザック、アトモス、羊皮紙などの比較はアフィラボさんがとても詳しく丁寧に解説されているのでそちらをご覧になるのが良いかと思います。前述のライティングによる違いも紹介されています。
最近では用紙も需要が減ってきているのか廃盤になる色が出てきているので「この色はまた今度買おう」と思っていると買えなくなってしまう可能性もあります。気に入った色があったらすぐ買っておくことをおすすめします。
レザック(175 kg)は新宿の世界堂さんに常時在庫があるので即日欲しい場合は世界堂さんがおすすめでしょうか。ネットだと竹尾さんが多種多用な用紙を扱っています(金箔・銀箔系は平和紙業さんの方が取り扱い多いかも)。
それでは。